Abstract: Magnussen, Naomi Yabe (2009)

北欧学術図書館の日本学支援状況/オスロ大学図書館の日本古典籍状況 概要

2008秋、NIASメンバーの図書館と他の日本資料を有する学術図書館(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド)に日本関係資料のコレクションについて、またこれらを扱う図書館員についてのアンケートを行った。日本学を教えている機関であっても、図書館側でそれに対応できる十分なサポートがあるとは限らない。例えば、NIASは、有料データベースをメンバー団体に提供しているが、図書館側で対応が不十分なため、研究者や学生にアクセス可能なデータベースや、利用方法の情報がしっかり伝わっていないという状況がある。

オスロ大学図書館所蔵の古典籍は、約80タイトル(約300冊)である。多くは江戸期の版本であるが、一部明治大正期の物も含んでいる。また、手写しの小型画譜が、13冊あるが、画以外に文字で書かれた情報が少ないため、その判断が難しいが、江戸後期、1800年前後からその後のものと思われる。その多くは、おそらく1920年代に、図書館の所蔵となったものと思われる。

Abstract: Kawai Masamoto (2009)

Sainsbury institute and Keio University
日本美術研究関係図書資料の収集と専門図書館のコレクション構築-利用者の立場からの報告-

当地(ノリッジ)にあるセンズベリー日本藝術研究所(SISJAC)のリサセンズベリー図書館は、研究所としての性格から、日本美術に関する研究の用に供するための資料等の収集とその活用を目的として、SISJAC内に2003年に創設された。その経緯について若干の報告もしたいが、ここでは、主として、日本における日本美術専門図書館として1930年に開設された、現在の東京文化財研究所の現状と、その問題点について、利用者の立場から報告し、美術専門図書館の現在および今後のありかた、資料の収集の方針と公開・活用に関して考えたい。

Abstract: Matsui Tadashi (2009)

ヨミダス歴史館−−135年の日本の歴史をオンラインで

ヨミダス歴史館は、日本の近現代史を詳細かつ鮮やかに再現する画期的なオンライン新聞記事データベースです。1874年の読売新聞創刊号から最新号まで、1000万件以上の記事を、簡単な操作で検索・表示することができます。 1874年から1989年までの記事については、当時の新聞紙面のレイアウトで表示します。見出しやキーワードなど様々な方法で検索でき、新しい言葉で古い記事を探し出すことも可能です。例えば「公害」というキーワードで検索すると、まだ公害という言葉が使われていない古い記事についても、見つけ出すことができます。 このほか、1986年以降の日本語の記事テキスト480万件、1989年以降の英字紙「デイリー読売」の英文記事テキスト17万5千件なども収録されています。

ヨミダス歴史館は、日本の近現代史や世相の移り変わりの基礎調査資料として、また日本語の変遷を探る資料としても役立ちます。デモンストレーションでは、ヨミダス歴史館の使いやすいインターフェースや豊富なコンテンツについて、実演を交えてご紹介します。

Abstract: Mitake Daikichi (2009)

Introducing The Current Situation of E-resources in Japan and The U.S. Market

現在海外で利用可能な日本のオンライン文献に関して、各データベースの簡単な紹介とその利用状況を解説する。 日本のオンライン文献がどのように海外へ広まっていったか、地域別統計を交えて発表する。 さらに海外の中から北米市場を例に取り、コンソーシアム利用例など日本市場と比較しながら紹介する。その際に、利用規約、利用形態、利用統計、更新手続き等などデータベース販売代理店の役割についても言及する。

Abstract: Tanaka Masashi (2009)

Outline of JapanKnowledge’s New Contents. Nihon Koten Bungaku Zenshu 日本古典文学全集 and Kokushi Daijiten 国史大辞典

事典・辞書を中心とする日本語基礎資料のデータベース「ジャパンナレッジ」に新コンテンツが続々と追加されます。その中でも特筆すべきなのは、『新編 日本古典文学全集』(小学館、2010年1月予定)『国史大辞典』(吉川弘文館、2010年7月予定、JKセレクトシリーズ)の二つです。日本文学や歴史研究には欠かすことのできないこれら二つの新コンテンツが加わったジャパンナレッジの新しい魅力をご紹介いたします。

Abstract: Ouchi hidenori ; Ito Tetsuya

The Thesaurus for Early Japanese Books and New Challenges on the Union Catalogue of Early Japanese Books in Europe

日本古典籍分類表の活用とコーニツキー版ユニオンカタログの新展開

2001年11月から国文学研究資料館において公開している「コーニツキー版欧州所在日本古書総合目録」は、当館のデータベースの中でも利用者数の多いものとして注目されている。この目録は、ケンブリッジ大学ピーター・コーニツキー教授らによって構想され、データが蓄積されてきたものを、国文学研究資料館が引き継ぎ、公開しているものである。本発表では、このデータベースについて、まずその概要を紹介し、アクセス解析による利用情況と評価について述べる。また、最近のいくつかの新たな試みについても紹介したい。たとえば「日本古典籍総合目録」データベースと連携し、相互にリンクを設けたことにより、ユーザーの利便性を高めた。また、ケンブリッジ大学図書館所蔵のいくつかの書籍については、その全ページの画像を公開し、リンクした。画像公開については、今後もその範囲を拡げていきたいと考えている。さらに、将来的な構想として、「日本古典籍分類表」による分類情報の付加についても検討している。

Abstract: Akama Ryo (2009)

The Challenge of Digital Archiving of Japanese Art Collections in Europe Using a New Method of ARC

現在、アート・リサーチセンター(ARC)では、欧米の博物館や個人コレクションにある浮世絵や絵本などを対象に、高精度なデジタル画像による「デジタルアーカイブ」を進めている。浮世絵については、V&A博物館や大英博物館などを対象に、英国で約5万枚を越える撮影を終えた。引続き、ドイツ、イタリア、フランス、チェコなどの所蔵機関において同様な総合デジタルアーカイブに展開している。早稲田大学演劇博物館や都立中央図書館、立命館大学ARCなどの所蔵品や、図録に掲載された作品をも含めて、これらのデータは、現在22万枚を越える浮世絵データベースに発展しており、浮世絵研究に必須のDBとして評価されている。

 この所蔵品アーカイブの特徴は、

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